目標を設定する
さて、前節で「自己分析の意義」を取り上げました。
ここでは、「自分が実現したい目標を明確にする」ことについて考えていきます。
ではまず、次の質問をじっくりと考えてみてください。
質問①:「あなたは、自分が実現したい目標を明確にできていますか?」
きっと色々な答えがあると思います。
この資格を取得しようと思ったときに描いていた目標やさらにステップアップされた目標などもあるのではないでしょうか?
もしかしたら「忘れちゃった...」という方もいるかもしれませんが...
では、次の質問。
質問②:「あなたはその目標や夢をいつまでにどうやって実現しようと思っていますか?」
いかがですか?具体的に実行計画まで答えられましたか?
実は、「目標設定」ではこの2つの質問がとても重要になってきます。
この質問にしっかりと答えられる自分になることが、“自信”を持って就活にのぞめるかどうかを左右します。
おそらく最初の質問については、「スポーツ・トレーナーになりたい」や「人の役に立ちたい」、「自分を治療してくれた先生のようになりたい」、「いつか開業したい」という比較的漠然とした目標を答えた方が多かったと思います。
しかしながら、就活を前にしたみなさんには、さらに踏み込んだ目標について、自分の気持ちに正直に、そして深く考え、心の底から「こういう人生を歩んで行きたい!」、「こうした目標を実現したい!」という高いレベルで意識していただけるようになっていただきたいと思います。
そのためには、単に仕事としての目標だけでなく、これからどのように人生を過ごしていきたいのかということを含めて考えていく必要があります。
人にはそれぞれ大切にしたい価値観があります。
周りと比べるのではなく、自分が望む人生を過ごせることが本当の意味での成功となります。
就活という機会を活かし、これからどのような人生を歩んでいきたいのかということを真剣に考えるチャンスとしてとらえてみてください。
例えば、
・どのような人生を歩んでいきたいのか(人生を通じての目標は何か)?
社会的地位や名誉を得たい
経済的に成功したい(どのぐらいの収入を得たいのか?)
プライベートと仕事のバランスが取れた生活をしたい
・仕事を通じてどのような目標を実現したいのか?
地域に貢献する治療院をつくりたい
スポーツトレーナーとしてオリンピックやプロスポーツ選手のサポートをしたい
地域に根ざし、アマチュアのスポーツ選手のサポートに力をいれたい
東洋医学の普及に力をいれたい
治療に何かをプラスして、オリジナルの治療メソッドや新しい業態をつくりたい
有名な治療家になりたい
・地域社会の中でどのような貢献をしていきたいのか?
地域社会の中で、ボランティアなどの活動をしていきたい
地元の活性化に貢献していきたい
地域のコミュニティの中で貢献できるポジションに就きたい
・家庭と仕事のバランスはどのようにしたいのか?
どのような家庭を築きたいのか?
仕事と家庭のバランスはどのようにとっていくのか?
など、人により優先したい価値観は異なるはずです。
そして、どのような価値観を自分が大切にしているのかについて考えてみていただきたいと思います。
その上で、具体的に自分の思考の中で鮮明にイメージできるぐらいまで、自分が立てた目標を意識できるようにしていただきたいと思います。
「プロローグ〜就活の意義を考える〜」でも取り上げましたが、成功した人はどこかのタイミングで、この目標設定を行ってきたといえます。
ビジネス界、スポーツ界、科学者、芸術関係などの成功者について「目標設定、重要性、効果」などの言葉を使って検索をしてみてください。
きっと、そうした事実に数多く触れることができるはずです。
もう少しわかりやすい例をあげるとすれば、スポーツ選手のイメージ・トレーニングに近い感覚ともいえます。
また、最近ではメンタル・トレーナーという仕事が話題になっていますが、スポーツ分野でもビジネスの世界でも、目標設定については盛んに取り上げれていることを考えれば納得していただけるでしょうか?
〈Point〉
「目標設定」では、自分の気持ちに正直になり、深く考え、心の底から実現したい目標を設定し、具体的にイメージすることができるまで意識できるようにする
そして、その上で自分が本気で取り組める“より具体的な内容で、いつまでに、どうやって実現していくのか”というレベルまで文字として書き上げていただきたいと思います。
簡単に書いていますが、この作業は実はとてもエネルギーも時間もかかる取り組みです。
おそらく簡単には完成しないはずです。
最後に「目標設定をする」際の注意点とヒントをお伝えします。
まず注意点として、この「目標設定」に取り組む際、「自分には無理かな...」というマイナスイメージを持ったり、自分を過小評価しないようにしてください。
この点は「目標設定」だけでなく、これから就活に取り組む上でとても大切なことです。
そして考えるはじめるスタートとして、
「なぜ、自分は〇〇になろうと思ったのか?」
※〇〇=鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復など
について自問自答を繰り返してみてください。
自分の答えがみつかったら、さらに「なぜ、そう思ったのか?」ということを繰り返してください。
そして「もうこれ以上はみつからない」というレベルまで粘り強く繰り返すことが大切です。
そこに「目標設定」につながるヒントが隠されている場合が多くあります。
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